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無限の宝庫がある日本の里みち

近年、里山の自然が脚光を浴びるようになった。人里に寄り添う森や林の生態系が、実は豊かな宇宙を形成してきたということが、一般にも知られるようになってきたからであろう。で、里みち、という言葉をちょっと前の版の『広辞苑』でひもとけば、あれ、出ていない。里山という言葉もありませんね。けれども、田舎道とか、郊外の道とか、町道あるいは村道とか言うより、私はそうした、ありふれた静かな田園の道を、里みちと呼びたい。

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何か名所があるわけでもないし、とりたててゴージャスな風景があるわけでもない。ただ、たとえば、たわわに実った柿の木があったり、納屋の壁に薪がきれいに積み上げられていたり、集落のはずれで地蔵様が微笑んでいたりするだけなのである。しかしまさにそこに深い魅力があるのだ。距離を稼ぐ自転車旅では、往々にしてそういう道を見落としてしまう、というかあえて無視して先へ進まざるをえない場合がほとんどだ。里みちは、幹線国道や幹線に次ぐ県道からも外れていて、地図で言うと、2万5000分の1ぐらいの縮尺にならないと出てこないような道である場合が多い。