子どもの生活空間が家庭から保育機関へ移行する過程では、(1)国内外を問わず「物理的環境」「社会文化的環境」「対人的環境」の3つの環境に適応する必要があること、(2)とくに外国の保育機関に移行する場合には、社会文化的環境への適応に「新しい言語への適応」が加わること、がわかる。話しことばとしての現地語の習得は、生活の習慣や遊びのルールを獲得する手段になるだけでなく、保育士や仲間との関係をつくる基盤にもなると予想される。そこで、適応にもっとも時間がかかる対人的環境、とくに仲間関係への適応を取り上げる。その際、外国人の子どもが対人的環境に適応していく過程を、対象となる子どもが保育集団で共有されている言語や規則を獲得することによって、自分を環境に適合させていく一方向的な過程とみるのではなく、対象となる子ども・その他の子ども(仲間)や保育士が相互作用過程で生起する出来事を解釈することによって、常に関係をつくり直していく双方向的な過程として捉える。具体的には、日本の保育園に入所した外国人の子どもの適応過程を仲間や保育士との関係のなかに位置づけて検討する。
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